現代アートの国際展ヨコハマトリエンナーレ2017
〜「接続」と「孤立」をテーマに、世界のいまを考える〜
開催期間:2017年8月4日(金)〜11月5日(日)
展示会場:横浜赤レンガ倉庫
今回、世界的に活躍されているドイツ在住のビジュアルアーティスト
クリスチャン・ヤンコフスキー氏からのご依頼で、
ヨコハマトリエンナーレ2017で発表された新しいアートプロジェクト作品
「Massage Masters(マッサージ・マスターズ)」に、
代表の西川聡とプロヘッドセラピスト2名が出演いたしました。
クリスチャン・ヤンコフスキー氏は、日本が今現在、戦後二度目の
オリンピックを前に、 国を「再活性化」することを目指している
状況にあると捉え、公共彫刻をもみほぐし、「気の流れ」を
よくすることを本作の目的としています。
また、この作品を通して観客の意識を再活性化し、
普段生活している範囲ではなく、
違う世界への橋渡しのきっかけとなるような
アートの可能性を追及しています。
http://www.yokohamatriennale.jp/2017/highlight/index.html
https://www.ymm21.jp/database/detail/post-66.html
今回、6名のマッサージマスターの方が選ばれ、
当協会からは、代表の西川聡とプロヘッドセラピストの
2名が参加しました。
是非、皆さんにも作品をご覧いただき、
マッサージの芸術性や、何かしらの気付きや発見、
インスピレーションを感じて頂けると嬉しいです。
【撮影前に、クリスチャン・ヤンコフスキー氏と
スカイプで打ち合わせをした際に、今回の作品で
一番大切にしたいことは何かを伺いました】
クリスチャン・ヤンコフスキー氏)
彫刻とマッサージという組み合わせは新しい試みです。
私の作品では、アートと普段関係が遠い方達と
共同作業を行うことが多いのですが、今回は、
マッサージセラピストの方々と挑戦してみたいと
思って始めました。
マッサージとアートの世界がどういうふうに
交わるかを、やってみたいと思ったのです。
映像を見た人は、かもめハープの彫刻が、
映像を見る前と、見た後では全く違う風に
見えると思います。
そういう作用が起こればいい。
現在のアートの動向とも関わる話ですが、
何かしらそこにコミュニケーションが生まれたり、
言葉じゃなくても、受容したり、与えたりといった
ことに、可能性があると思っているので、今回は
彫刻を起点にエネルギーの交換といったような
ことが出来たらと思っています。
また、マッサージマスターのみなさんが、彫刻の前に
立った時に何を感じたかということを、そのまま映像に
入れ込みたいと思っています。
いつも作品をつくるときは、ただ私のアイデアを
実現するのではなく、色んな人が入り込んでくることに
どんどん動かされていくようなところがあります。
ヘッドセラピーをする際、相手に合わせるということでしたが、
彫刻に対しても同じようにやっていただきたい。
これはハリウッド映画ではないので、撮影に関しても事前に
作り込むのではなく、その場で感じことや、ある種の
ドキュメンタリーのような感じを大事にしたいと思っています。
例えば昔は、火、風、水といったように人間の生活はもっと
シンプルだったでしょう。
現在は、分野があまりにも細分化され、ひとつひとつが
尖って行き過ぎて、ゆえに離れてしまっている部分が
あると思うので、宗教とか、今回のマッサージ、アート、
彫刻とか、そういったものを今回のプロジェクトをきっかけに、
繋ぎあわせたり、重なり合わせることができればと思っています。
私はイメージを扱っている映像作家です。ものを書いたり、
宗教・哲学的な活動をするのではなく、イメージの可能性に
かけたいと思っています。
それを見た人が自分なりの解釈ができるという点がいいと
思っています。
面白いと思ってもいいし、つまらないと思ってもいい。
その幅に可能性があるのではないか、と思い作品を制作しています。
今回は「マッサージ」や「彫刻」といった色々な要素が
すでにあるので、そこから面白いつながりをつくれたらと思っています。
■撮影のメイキング映像はこちら(2分35秒)
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芸術イベント:ヨコハマトリエンナーレ 2017
開催期間:2017年8月4日(金)~11月5日(日)
アーティスト:クリスチャン・ヤンコフスキー
作品名:Massage Masters(マッサージ・マスターズ)
展示会場:横浜赤レンガ倉庫1号館
http://www.yokohamatriennale.jp/2017/index.html
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撮影の終了後、インタビューを受けました。
その時のことをまとめましたので、是非、ご覧ください
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問1)
マッサージと芸術で、
つながりを感じるところは何ですか?
西川)
マッサージと芸術が、共通するのは、
自由であるというところです。
どちらも始まりから終わりまで、
ずっと自由な世界観にいます。
また、囚われないで、
どちらも感性を大切にしています。
型に、はめこまない。
心で聴き、何かと繋がろうとする。
例えば、自分自身の中にある魂か
あるいは、
もっと大きな存在と。
テーマと自分自身と重ね合わせて、
新しい世界を創り出す。
マッサージも芸術も、
共通していると思います。
問2)
癒しとは何だと考えられますか?
西川)
心に触れて、魂の安らぎや、
安心感を感じることをいうのだと思います。
問3)
現在、3,000人の方にヘッドセラピーを
教えてこられたということですが
教育とは何だと思いますか?
西川)
「心の豊かさ」を広めていくのが
教育だと思います。
そして、
そのために必要な
心の在り方を伝えていくことが
大切だ思います。
問4)
創り上げて来られたヘッドセラピーで、
一番大切にされていることは何ですか?
西川)
当たり前ですが、
自分本意の技術にしないことです。
すべて相手の方のための技術なので。
なぜそういうことが大事かと言うと、
人に触れる仕事をされている方でも、
丁寧に触れるということが出来ていない人が
ほんとうに多いからです。
赤ちゃんの頭には、
誰もが丁寧に触れることができるのに…
人が人の頭に触っているという意味を
ちゃんと理解していないと、
癒しは起こりません。
頭は、その人の尊厳が
詰まっているところだからです。
例えば、
足は踏まれても「ごめんね」と
言われれば許せますよね。
しかし、
頭を踏まれたらどうでしょう?
足を踏まれた感覚とは違いますよね。
頭は、魂が宿る場所だと思うのです。
だから、愛情を伝えるための
基本を理解してる人が鍛練して、
丹精込めた技術を届ける。
それがヘッドセラピストの在り方です。
みんなに治療家になって欲しい訳ではなく、
ひとを癒せる人になって欲しい。
私は、このヘッドセラピーという概念を
広めたいと強く思っています!